『トヨタで学んだ「紙1枚! 」にまとめる技術 』〜"整理"上手 は "伝え"上手〜
先日、『トヨタで学んだ「紙1枚! 」にまとめる技術 』を課題本とした
著者の「浅田すぐる」さんご本人が参加する「読書会」に参加してきました。
ぶっちゃけ参加するまでに半分も読み終えてなかったのですが、
浅田さんのお話や他の参加者の感想を聞いて、腑に落ちることが多々あり
その後、実際に活用を始めた本なので紹介したいと思います。
『トヨタで学んだ「紙1枚! 」にまとめる技術 』浅田すぐる (著)
Amazon.co.jp: トヨタで学んだ「紙1枚! 」にまとめる技術: 浅田すぐる: 本
<それってどんな本?>
この本を「ひと言」で言うと
思考を整理するフレーム(型)が身につき、
「伝える力」を強化できる本
です。
そして、本書の大きな特徴は
行動に移せるレベルで書かれた本(著者メルマガより)
である点です。
その理由は後ほど書いていきます。
<なぜこの本を読んだのか?>
なぜこの本を読もうと思ったのかと言うと
思考を「整理」してまとめるのが苦手、と感じていたからです。
「紙に書き出して考える」という習慣はありましたが、
「書き出したことを整理してまとめる」のに時間がかかる傾向がありました。
なんとなくやっていた「整理してまとめるプロセス」を
この本なら「使える型(フレーム)」を身につけられそうだと感じました。
<「トヨタの1枚」って何?>
本書は元トヨタの社員の浅田すぐるさんが
幅広く使えるようにメソッド化したものです。
トヨタには、業務上の書類はすべてA3またはA4サイズの紙1枚に収める、
という習慣が企業全体の文化として根付いています。(P.3)
その「トヨタの1枚」の特徴はズバリ次の3つです。
①ひと目で全体が見える(一覧性)
②枠がある(フレーム)
③枠ごとにタイトルがついている(テーマ)
ポイントは
「読んでわかる」ではなく「見てわかる」ようにする
ことです。
これにより
「単なる紙切れ」が「機能する1枚」
にかわります。
<何を学んだのか?>
僕がこの本を読んで学んだことを3つピックアップしてご紹介します。
①「動詞」でごまかさず「動作」に落とし込む
②「しばり」が効率を上げる
③「なぜ?」を繰り返せばいいってもんじゃない!?
①「動詞」でごまかさず「動作」に落とし込む
ここが一番の共感ポイントでした。
僕も本をよく読みますが、
「意識する」「努力する」「工夫する」
などのフレーズがあったときに
「で、具体的にどうすればいいんだろう?」
とそこで思考がストップし、
実際の行動に結びつかないといった経験がよくありました。
「動詞」で終わらせず、「動作」にまで落とし込む
のが大事だと著者は述べています。
なぜなら、それによって「行動に移せる」からです。
本書に書かれていた例を紹介します。
動詞:目的を意識する
↓
動作:目的を意識した紙を繰り返し見る
数多くのビジネス書や自己啓発本を読み、
多くの書籍が「動作」のレベルで書かれたいないと感じた浅田氏は
本書は「シンプルな動作」にまで落とし込んで執筆したそうです。
これこそが「行動に移せるレベルで書かれた本」である理由です。
②「しばり」が効率を上げる
「エクセル1」と名付けられた『思考を整理する技術』です。
必要なものは
「テーマ」と「紙」と「3色のペン」
ざくりステップを書くと
・テーマを決めて
・枠を書いて
・キーワードで埋めて
・考えを書き出す
非常にシンプルです。
むしろこのくらいシンプルじゃないと行動に移さなくなります。
特に、僕がなるほど!と思ったのは
「枠を書いて、その枠内に書く」という部分です。
枠があると人は埋めたくなるという性質を利用している点と
限られたスペースに書くからこそ、
無駄なものを省き、考えが凝縮される
という点です。
そういったしばり(制約)がある程、
人はクリエイティビティを発揮できるのだと改めて実感しました。
③「なぜ?」を繰り返せばいいってもんじゃない!?
トヨタには有名な「なぜなぜ分析」という手法があります。
「なぜ?」を5回繰り返し、根本原因を突き詰める
というものです。
しかし、浅田氏は次のように述べています。
実際に仕事を勧めていくうえで実感したのは
「なぜ?」より「どうするか?」を考える方が
圧倒的に多かったということです。(p.192)
「なぜ?(why ?)」も大事ですが、
課題に対して「どうやって?(How ?)」問題を解決していくか、
そもそもの目的を忘れてはいけません。
自分も「なぜ?」を突き詰めることで満足したり、
「なぜ?」と考えること自体が目的と化してしまった経験があったので
ドキッとしたところでもあります。
<どう活かすか?>
そもそも本書はものにするために読みました。
今回のブログは本書で紹介されているフォーマットを使って書きました。
おかげで「前回の記事」↓よりもさらに時間を短縮することができました。
『クラウド版 デッドライン仕事術』 〜クラウドのことはあまり触れずに感想を書いてみた〜 - 坂下春樹の妄想ラボ
本書には、紙一枚でまとめる技術がわかりやすく紹介されていますが、
真の目的は 「紙一枚にまとめる」ことではなく、
「伝える力を身につける」ところにあります。
最終的なゴールは「紙0枚」で仕事ができるようになること(p.195)
僕自身、特に「突発的な場面でのコミュニケーション力で」に自信がなく
あきらめていた部分がありましたが、本書を読んで希望が持てました。
私がこれまで出会ってきた「仕事のできる人」というのは、
こうした突発の場面であればあるほど、すぐれたコミュニケーション能力を発揮する人です。(p.196)
苦手な事だからこそ、それを克服したときには
できなかった人の気持ちや苦労がわかる分、
より伝えられる事があると思います。
紙1枚1枚を積み重ねていきます。